山の暮らしのおすそわけ

おかみさん食堂 パンフレット

最近関わらせていただいた仕事先の一つに「おかみさん食堂」があります。
のりくらに2023年4月にOPENした、地元のおかみさん達が営む食堂です。

高原内にある様々な宿のおかみさんが集まって料理を作ってくれる、
いわばおかみさんオールスター!のお店。

山菜・高原野菜など地元の食材をふんだんに使い、
地域に伝わる昔ながらのお料理が味わえるとあって、
OPEN直後から、旅行者はもちろん地域に住む方々からも大評判!

お店に入ると、「いらっしゃい!何食べる?」
と気さくに話しかけてくれ、
厨房でちゃきちゃきと楽しそうに働くおかみさん達の姿に
席に着く前から元気をもらえます。

どれも美味しそうで毎回メニュー選びに迷い、
やっとのことでオーダーしてホッとする私(笑)。

そして、おかみさんが腕によりをかけて作ってくれたお料理をいただくと、
みるみるお腹も心もいっぱいに満たされます。

時に、「そんなに!?」と思ってしまうほどに、
ふるまい好きで手間暇を惜しまない乗鞍のおかみさん達。

畑仕事も(畑にやってくる猿との格闘も含めて…笑)
山菜を採ることも
山菜の下処理も
漬物を漬けることも
手間のかかるお料理ひとつひとつも
「ずく」があるからこそできること。

(ずく…信州の方言で、「精を出してする気力。 根気。 やる気」のこと。)

普段着を身にまとうような気楽さがありながら、
着心地のよさを肌に感じられてほっこりできる、
丁寧につくられた日常着のような……。

それでいて、なんだか山の暮らしのおすそ分けを頂ける感覚で
嬉しくお料理を味わえるのです。

滋味深さを感じつつ
肩ひじ張らないご馳走として
いつも美味しくいただける理由はここにあるのだろうなぁ。

こんなにも、心にも体にも嬉しいお料理を作ってくれるおかみさん達。
彼女たちが以前話してくれ、
私の心に残っている言葉があります。

「来てくれた人も地域も、みんなを元気にしたいの」

カラっと明るいおしゃべりはたくさん!
でも胸に秘めた思いの多くは語らないおかみさん達の、
この言葉にこめられた思いは
ピュアでいて、まっすぐ届くパワーがあるなと
改めて思います。

山の暮らしを自分自身が楽しんでいること
思いを共にもって、互いに協力して働く仲間がいること
さらには、「みんなを元気に!」と、日々食堂で手足を動かしながら、
地域に貢献している実感を持てていること

その、地に足のついたパワフルさを
おかみさん食堂に教えてもらっている気がするのです。

ありがたいことに、
MON DESIGNに今年初めにお声がけいただいて、
食堂のロゴマークを考案し、
のれんや看板の制作を担当させてもらいました。

続いて最近、パンフレットの制作を担当させてもらったのですが……。

制作を通して、「山の暮らしを楽しむこと・味わうこと・伝え繋げること」を大切にする
おかみさん食堂の魅力を改めて感じて
たくさんの方に広がっていくといいなぁ!と思うと同時に、

私自身も、もっともっと山の暮らしをめいっぱい楽しもう!味わおう!
そしておかみさん達を見習って、
今よりちょっと、ずく出して働いてみるか!(笑)
と思うのでした。

写真:セツ・マカリスター(文頭と文末の写真をのぞき)