ワタシのセンタクと、そのコンセプト

乗鞍に私が移ってきて1年半が経ちました。
2回目の冬が、もう目の前にやってきています。

この間、この乗鞍という地で私は、自然・食・人などなど、日々新鮮な出会いを1つ1つ積み重ねてきたように思います。
セツさんとの出会いもその一つです。
まだ冬の足音も少し遠い、秋のはじまる頃だったかと思います。
セツさんから連絡がありました。

「一緒にのりくら温泉郷をPRするポスターを作ってみない?」と。

彼は、10年ほど前から乗鞍で暮らし、今は乗鞍や周辺地域のプロモーションやブランディング構築などに携わっている方であり、
また、乗鞍の魅力を伝える素敵な写真家でもあります。
彼の運営する、乗鞍の魅力がギュッとつまったFBページはこちら
beautiful norikura

さて、
彼からのオファーは、
「イラストをベースにしたシンプルなポスターにしてみたいんだ。コンセプトから、紋子さんの好きなようにまずは考えてみてくれない?」

というものでした。

「やってみたい!」

私にできることがあるのなら、ぜひ!と二つ返事でOK。
その後、早速デザインに取り掛かり、つい1週間ほど前に印刷物として仕上がってきたところです。
今日はこのポスターのデザインコンセプトやプロセスをお伝えしたいと思います。

(このポスターは、関西地方の私鉄の駅を中心に掲示させていただくようです)

前提として、
このポスターは、乗鞍のもつ魅力をシンプルな形にしながら、
乗鞍を必要としている、ある特定の人に、最大限届けられるようにとデザインすることにしました。

乗鞍のもっている魅力とは?

デザインを組み立てていくにあたって、まず考え始めたのは、
「誰に届けるか?」ということと、
「乗鞍の魅力とは何だろう?」ということです。

誰に届けるか?については後述するとして、まずは乗鞍の魅力について書いてみます。

乗鞍岳の壮大な景色、高原内の静けさ、温泉の温もり、彩り鮮やかな紅葉、真冬の白い山並み……あげだしたらきりがないような。
でも、一つ一つの要素をどれだけ並べてみても、乗鞍の魅力は言い尽くせないのです。

私自身、春夏秋冬ひと巡り半、この乗鞍の地で暮らしてみて、感じていたことは、
もしかすると、ここに身を置く「ワタシ」が感じること全てが魅力なのかもしれない、ということ。
ワタシの中にある自然が、その「乗鞍にあるもの」に反応すること、そのことに価値があるのではないか?と。

「乗鞍」にあるもの、それは……

頭でなく、心が・体が、喜ぶこと。
喧騒の中で忘れかけていた、静けさを思い出すこと。
そうして、ワタシにとって本当に必要なものを見直す機会を得られること。
知らず知らず身にまとってしまった余計なものがそぎ落とされて(洗濯されて)いくかのような。

それはきっと、乗鞍が、

「本来の自分を取り戻し、自然体を思い出す場所」

だからなのではないか?と思うに至りました。

「ワタシ」という存在が、いつでもそのことを「センタク(選択・洗濯)」できる。
そんなわけで、
「ワタシのセンタク」というポスターのコンセプトができました。

ゆるむココロ ゆるむカラダ ココから乗鞍

忘れかけていた本来の自分を思い出せるということは、
それだけでとても価値のあることだと思うのです。

でも、このポスターには、更にもう一つのメッセージをこめることにしました。
見てくれる人の心に響くメッセージを届け、何かのアクションへとつながるような、
そんなあたたかさと強さをこめられたらと。
というわけで、未来へ向けた視点を盛り込んでみたのです。

本来の自分を取り戻し、自然体を思い出す、そのことを分かりやすい言葉で示し、
またそのセンタクの先にあるものに想いを馳せることができるように……

そういうわけで、
「ゆるむココロ ゆるむカラダ ここから乗鞍」というコピーを加えました。

ポスターのメッセージを必要としている人は?

乗鞍を必要としている人・このポスターのメッセージを必要としている人として、まず考えたのは、30~40代の主に女性です。
なぜかというと、
仕事、結婚、子育て etc
ライフステージに合わせて様々な選択を迫られ、内面では葛藤を抱えつつも、
しなやかな対応を求められ、今この時、精いっぱいの選択を重ねていく女性たち。
そんな女性たちへ向けて、このメッセージを贈ることができたらと。
このターゲットは、ポスター制作にとりかかる上でまず初めに設定しました。

限りなくシンプルな構成にした「ワタシのセンタク」

乗鞍を象徴するものとして「乗鞍岳」と「温泉」、そしてそこに身を置く「ワタシ」という存在。
温泉に移りこむ熊の影は、「ワタシ」の中にある自然体をユーモアをこめてあらわしてみました。

余計なものをそぎ落としてシンプルな構成にすることで、メッセージとして訴えたいことをよりダイレクトに届けられるように意図してみたのです。

「ワタシのセンタク」

翻って、

「あなたは何を選択しますか?」

そんなクエスチョンを投げかけて、心に響くポスターになるようにと。

……と、ここまで書いてきて、

「え?それ、自分へ向けたメッセージなのでは!?」

そう言われてしまえば、その通りなのかもしれません。
公私混同!?
……それも否定はしません(笑)

ある意味、過去の(今も?)私へ向けたメッセージでもあるような気がします。
ですが、周りにいる同年代の多くの女性が、自分を生きることができない葛藤の中にいることを目の当たりにし、その方たちの課題に寄り添うことができたらと考えたことも事実です。
たくさんの役割を担いすぎたり、「〇〇しなければ」という思い込みを強めてしまって、本来の自分からかけ離れ、
「本心は何を心地いいと感じ、何に満たされるのか」「自分はどうありたいのか」が見えにくくなってしまっている。
彼女たちは、乗鞍のような「自分にかえる場所」を心から必要としているのでは。
だから、このポスターは、彼女たちに必ず響くメッセージだと考えたのです。

乗鞍温泉郷PRとしての機能

さて、もともとのポスターの目的である、乗鞍温泉郷PRについてはどうなのか、ということについて少し。
これまでの乗鞍では、「PR」というと「こんなにいいところです!来てください!」的な宣伝が多かったようなのです。

ですが、このポスターでは、趣向を変えて逆に読み手にクエスチョンを投げかけ、その方の意志に委ねる、という形のPRをしています。

“乗鞍を選択してもらえるように”という受け身的なPRをするのでなく、”自らの意志で乗鞍を選択する”という能動的なアクションを読み手に
委ねるPRがができるように、というわけです。

そして、もう一つ。
乗鞍温泉郷の特色は、4つの源泉がある(!)ということ。
泉質の異なる4種類の温泉を味わえてしまうという、なんとも贅沢な温泉地なのです。
そのことも大きなアピールポイントなので抑えてほしいという要望を当初からもらっていました。

そこで、その4つの源泉についても、「センタク」という言葉に投げかけの意味をこめたつもりです。

「温泉を選ぶこと」もワタシのセンタクです。(で、どこを選択しますか?)、という具合に。

もっと言うと、
温泉も含めた「旅の行先を選ぶこと」も。
その行き先で、「誰と何をするか」を選ぶことも。
そこで「食べるもの」を選ぶことも。
「どんな宿泊先に泊まるか」を選ぶことも。
「どんな時間を過ごすか」を選ぶことも。

そもそも、「どんな自分であるか」を選ぶことも。

今ここからセンタクすることができるよ、
というメッセージであり応援歌、なのです。

今、ワタシのセンタクは……

いかがでしたでしょうか。

というか、ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。
最後になりましたが、こんなチャンスを与えてくれ、一緒にアイデアを出し合ってくれたセツさん、
本当にありがとう!
今後もまた、彼や彼の仲間とコラボレーションワークをここでしたいと思いますし、していくことになると思います。
そして、今までと違うポスターにしたい!という思いをもって、このチャレンジを受け容れてくださった、のりくら温泉郷の宣伝部長のMさん、そして役員の皆さまにも感謝を込めて。

さて、今、ワタシのセンタクは、この記事を勇気をもってアップすること です。
なぜなら、このポスターの「ワタシ」は、見てくれる「あなた」でもありますが、何を隠そう「私自身」でもあるように思うからです。
内心、ドキドキです。でも、ワクワクもしています。

さて、
あなたは今、何をセンタクしますか?
なんて問いかけてみたりなんかしてm(__)m

norikura.gr.jp

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