【熊五郎とシキ011】てくてく歩こう

なんだか、みるみる雪がとけていくここ最近の乗鞍。
あれだけ長い冬だなぁとか、春はまだかなぁと思っていたのに、ここに来て、どうも駆け足で春へと向かっている感じがします。
どんどん雪がとけて、地面があらわになってくると、春がもうすぐだなぁと思うのと同時に、あぁ、もっと雪みちを歩いておけばよかったかな、なんてちょっと名残惜しかったりなんかして。
季節は待ってはくれませんね。
一歩一歩、行ったり来たりしながらも、着実に進んでいくのが自然。
私たちだって、どんな季節であっても、ここを歩いてみれば、その時にしか見えない景色があり、その時にしか気づけないことがある。
というわけで、今日は、「歩く」ことについてのおはなし。

のりくらには、あちこちに散策を楽しめる道があります。滝や池へと続く道、山のてっぺんへと続く道。美しい花々に出会える道。地面の感触を足の裏に感じながら、てくてく歩いてみると、何かに出会うことも楽しみだけど、歩くことそのものが、自分を満たしてくれる、ということに気づいたりなんかして。

【編集後記】
「てくてく」っていうこの言葉の響き、すごく好きなんです。
一歩一歩、進んでいるような、
着実に前に向かっているような、
それでいて、歩くことを味わい、楽しんでいる音のような、
そんな気がするからかもしれません。

向かう先がどこなのか、その目的地がはっきりと見えていることも大切だけど、
目的地が見えていないとしても、その時々の景色を楽しみ、その時にしか感じられないことを感じ、味わい尽くす、
そういう時をもつことも、大切かもしれないなと思ったりします。

乗鞍を歩いていると、本当に何か元気がチャージされてくるような気がするのです。
どんな力がどんな風に作用しているのか、それは私には分かりませんが、一つ思うのは、静けさが大きな力なのかな、ということ。
この乗鞍の静けさのなかにいると、自然の醸し出すパワーをキャッチしやすいし、人と自然との「気」が交流しやすくなるような、そうして凝り固まった詰まりが取り除かれて、気の通りがよくなるような、そんな感じがするのです。

私が何かもっともらしいことを言うよりも、とにかく実際に歩いてみるのが一番。
そうして、ご自身のなかの気が巡り始める感じを実感されてみては。。。
私としては、芽吹きのエネルギーみなぎる新緑の季節は、てくてく歩きに最高なのではないかと思います。
その季節ももうすぐそこに。
目的地が明確に見えていたとしても、いなくても。
いっとき、ご自身の凝り固まった詰まりを取りに(笑)、ここ乗鞍で滞在されてみてはいかがでしょう。

ではこのへんで。
来週3月22日(木)20時にお会いしましょう。

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