「Me first」なゲストに刺激を受けて

立冬が過ぎ、乗鞍には文字通り「冬」がやってきたようです。
先週、真っ白になった乗鞍岳。思わず「ウッワー!」と叫んでしまいました。
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今朝もハラハラと粉雪が舞っています。うぅ寒い。

そうそう。実は1週間ほど前から、休館しているRaicho。
春・夏・秋と、脇目もふらず突っ走り気味に回してきたので、ここらで休息の時間を!というオーナーYumaの意向です。
とはいうものの、冬の準備もぬかりなくしなくては!と薪の準備をしたり、水道管の凍結を防ぐための養生をしたり、やらなければならないことも結構あったりして、気ぜわしく過ごしている今日この頃です。
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そんな中。私がここRaichoでお手伝いを始めてから出逢った、様々な国籍の様々なゲストのことをぽつりぽつり思い出しています。
今日は、中でも思い出に残っているゲストのお話を。

とっても衝撃的に覚えているのは、
5歳と9ヶ月(確か)のお子さん二人を一人で連れてきた日本人のパパさん。
ご夫婦ともに海外で国際協力関係のお仕事をしていて、ビザ切り替えの合間のお休みに、ふと乗鞍へ旅行に来てくださったのでした。
しかし、その旅にママさんは同行せず。なんでも、ちょうどその父子の旅行中、インドへ短期のヨガ修行へ行っているとのことでした。
もうね、私の中で、幾重にも衝撃が走りました。
パパ一人で、乳児とやんちゃ盛りの5歳の男の子を連れて長距離の旅をするなんて!なんてチャレンジャーなパパなんだろう!
それだけでなく、ママは家族とは別に、ママ自身の都合で動いているなんて!なんて自由なママなんだろう!
さらに、パパはママがヨガ修行に出かけていることに全く嫌悪感を抱いておらず、むしろそのご本人(ママ)の意志を尊重し、しかもその選択をある意味誇りに思っているのが伝わってきて、なんて素敵なパートナーシップなんだろう!と。。。

そして、また別のゲストの話。それはオーストラリア人のご夫婦でした。
彼らは、国に3人の子ども達を置いて、夫婦水入らずで日本へ数週間の旅行に来ていました。
詳しくは聞かなかったけれど、子ども達はおそらく、シッターさんか親戚が見ていたのだと思います。
二人の時間を大切にすることで、また日常に戻ったときに、子ども達と笑顔で過ごすことができると。
これまた衝撃でした。
子ども達を置いて、夫婦だけで旅行に出るなんて!しかも海外!しかもしかも数週間!

こうして書き出すとキリがないけれど、本当に様々な価値観のゲストがRaichoに訪れます。

はじめは、私が今まで知っている人たちとあまりに行動が違いすぎて、目をパチクリするばかりでしたが、でも、ある時ふと気づきました。
あぁ、もっと自由でいいんだなって。

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私の中に衝撃が走る!ということは、多分私の中に、色んな枠を構えていた証拠でもあるなぁと思うのです。
「こうあるべき」「こうしなければ」みたいな。

例えば、
母親とは、子ども(特に乳児期の)から目を離すべきではない! とか。
子どものことが優先。親達は、自分のことを後回しにしなくては! とか。

表面的には、「なんて前時代的な考え方なんだろう」と思っているようでも、多分私の奥底で、そんな思い込みがまだ残っていたんだと思うのです。

でも、それって、なんて小さな枠なんだろうって、彼らを見ていて心底思って。
このゲスト達(やその家族)は多分、その時々で、お互いに自分自身を満たす時間を大切にしているんだろうなぁと。
誰か(パートナーや子ども)を想って行動するのは貴いけれど、まずは自分を満たすこと。それを徹底しているのがすごいなぁって。
自分を満たすことが、巡り巡って周りの人を満たすことにつながることを、経験から知っているんだろうと思います。

実は以前、心理学を少しかじったときに、「Me First」という言葉を知りました。
まず自分自身の心を充電して、心地よく満たされる感覚を味わうと、自分自身を許可することができ、自分との人間関係が整う。
すると、今度はそのエネルギーが自然と周囲に伝わっていき、いい循環を生み出すことができる、というもの。

彼らが、Me Firstという言葉を知っていてもいなくても、既に経験から知っているし、また自分自身を満たす、その方法も知っているんだなぁと思うのです。
彼らは物欲にまみれ、お金を浪費したりして、欲求のままに行動しているのか、というと全くそうではなさそうで。
ただただ、自分を大切に扱う時間のもちかたを知っているように見えました。
その方法の一つとして、乗鞍に滞在すること、中でもRaichoに宿泊することを選んでくれた彼ら。
どちらのゲストも「また来たい!」と言ってくださったことが、ここで充実した時間をもつことのできた証かもしれません。ありがたいことだなぁ。

何を隠そう私もここ乗鞍で、Me Firstしてるなぁと思うのです。
だって乗鞍では、心地よさにぐるりと取り囲まれること間違いなしなのだから。
こんなことで乗鞍の豊かさを実感したこともありました。)

でもね、私は彼らゲストにどんなサービスができたかな、と思い返してみると、、、ちょっとした歯がゆさを感じます。
なんだろう。いや、分かってる。これは今の私の課題です。

そう。そのためにも、この休暇中にちょっと殻を破って「Me First」してこようって思ってます。
そして12月に営業再開するRaichoでは、間違いなくゲストの「Me First」のお手伝いをより良くできるようにしたいものです。(ウシシ( *´艸`))

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乗鞍にはRaichoには最高すぎる温泉が、ある 

最近、この「『のりくらし』を楽しみに読んでますよ!」と言ってくださるゲストに声をかけて頂いたり、facebookでシェアしてみたら思わぬ反響を頂いたりして、ビックリしています。
この単なる私のつぶやきのようなブログ。読んでくださる人がいるだけでも感謝ですが、引き続きマイペースに育てていきたいなぁと思っています。

それはさておき、最近Raichoでは様々なトラブルに見舞われました。
その一つに、温泉のパイプが破損して、数日間、館内の温泉が使えなくなってしまう!という温泉宿にあるまじき事態が発生したのです。

もう、大変!その破損した日は半分パニック。
近くの宿の方がヘルプしに駆けつけてくださったり、アドバイスをくださったりしながら、修理を試みてみるも、部品を取り換えないと直る見込みがないと判明。
その部品の取り寄せに数日間かかることが分かりました。
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↑これは破損したパイプ。硫黄が固まって、温泉の通り道がふさがれてしまったのですm(__)m

さて、ゲストにも正直に話す以外ありません。
皆さん、事情を理解してくださいました。
ありがたいことに、近くのお宿が温泉を解放してくださったり、別の日は湯けむり館へお連れして乗鞍温泉につかっていたただくという対応がとれたからこそ、というところも大きいかと思います。
そんな対応をしている中で、心温まる出来事がありました。

数日間、温泉は使えないものの、シャワーはかろうじて使えたRaicho。
シャワーを浴びた直後のゲストに、
「ここの温泉につかりたかったでしょうに、本当にごめんなさい。」と伝えたところ、

「No Probrem!It was nice shower!Thank you!」

と最高の笑顔で返事が来るではないですか!
私、びっくりして。
そのゲストは、何気なく普通に返した言葉だと思うのですが、なんというか、根本的な考え方がありがたく、またすごいなぁと思ったのです。

「あるもの」

を見ているなと思って。
しかも、そのゲストは雨でずぶ濡れになって帰ってきたサイクリストさん。
そらぁ、そらぁ、温泉につかりたかったと思うのです。
でも、そのゲストは「ないもの=温泉」ではなく、「あるもの=シャワー」にフォーカスして、しかも感謝の意を伝えてくださるという。

もうなんだか、ふわっとそれこそ温泉につかったときのような温かさが、心にこみあげてくる心地がしました。

乗鞍に移ってきて半年。私も大分ここの生活に慣れてきていますが、ふと考えてみると、乗鞍の生活では「ないもの」を数え上げたらきりがないかもしれないなぁと(笑)
要不要は別として、

「コンビニが、ない」
「交番が、ない」
「家の鍵をかけない」
「信号が、ない」
「スーパーが、ない」
「ドラッグストアが、ない」
「100円ショップが、ない」
「美容院が、ない」
「美術館が、ない」
「図書館が、ない」
「ケーキ屋さんが、ない」
「カフェが、ない」
「服屋さんが、ない」
「公園が、ない」
「病院が、ない」
「子どもが少ない」
「仕事が少ない」

などなどなど(笑)

でもね。そのゲストに改めて気づかせてもらったのは、「ある、もの」にフォーカスして、それを味わい尽くすこと。
それって自分を満たすだけでなく、周りも幸せな気持ちにさせてくれるなぁと思って。
「ない」は「ある」の裏返し。そして逆もまたしかりなのではないかと。
どちらに自分の心をフォーカスするかによって、物事の見え方って全然違ってくるような気がして。
例えば、乗鞍に「ない」ものについて見てみると、、、

「コンビニやスーパーが、ない」
→「手間をかけて食事をつくる機会が、多くある」「お惣菜や食材をお裾分けいただく機会が、たくさんある」
 「食材を吟味する機会が、ある」 「ネットスーパーが、ある」

「交番が、ない」「信号が、ない」
→「良識をもった人がたくさん、いる」

「ドラッグストアが、ない 100円ショップが、ない」
→「あのギラギラちかちかした店内とは反対に、静寂さが、ある」「自分に必要なものを吟味する機会が、ある」「ネットスーパーが、ある」

「美容院が、ない」「図書館が、ない」
→「山を下りる楽しみが、ある」

「病院が、ない」
→「病は気から。だとしたら、気をチャージする自然がたくさんある。」

「子どもが、少ない」
→「少ない子どもを大事に育てる大人が、たくさんいる」

「仕事が少ない」
→「今ある仕事を大切にする」「自分で仕事を作り出すチャンスが、ある」

とかね。本当に考えようだと思うのです。
それに無理やりポジティブにもっていこうとしなくても、「ないこと」は、逆にもともとあるものを大切にしたり、そのありがたみに気づくチャンスなのかもしれないなぁ、なんて改めて思って。

さて。気になるRaichoの温泉は、、、
無事に復旧しております。(ホッ)
故障中、ゲストの皆さまには大変ご迷惑をおかけしましたm(__)m
また、ヘルプに駆けつけてくださった地元の皆さま、本当にありがとうございました。

で。
復旧したその日、数日間カラカラだった湯船になみなみとお湯が注がれている様を見たら、もうそれはそれは感動ものでした。
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この世に当たり前のものなんて、何もないなぁとしみじみ。
様々なこと・もの・人・自然にありがたみを感じながら、ゆっくりと温泉につかりました。

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そして分かったこと。

「Raichoの温泉は最高すぎるあるね。」

ということ。あ、手前味噌になってしまった。しかも、オチが雑!(笑)
でもほんと。
体験してみたら、きっと「ある」が見えてきます。

そして、Raichoではまた同じような失敗のないように、温泉パイプの掃除を頑張ります。Yumaが!