最近、この「『のりくらし』を楽しみに読んでますよ!」と言ってくださるゲストに声をかけて頂いたり、facebookでシェアしてみたら思わぬ反響を頂いたりして、ビックリしています。
この単なる私のつぶやきのようなブログ。読んでくださる人がいるだけでも感謝ですが、引き続きマイペースに育てていきたいなぁと思っています。
それはさておき、最近Raichoでは様々なトラブルに見舞われました。
その一つに、温泉のパイプが破損して、数日間、館内の温泉が使えなくなってしまう!という温泉宿にあるまじき事態が発生したのです。
もう、大変!その破損した日は半分パニック。
近くの宿の方がヘルプしに駆けつけてくださったり、アドバイスをくださったりしながら、修理を試みてみるも、部品を取り換えないと直る見込みがないと判明。
その部品の取り寄せに数日間かかることが分かりました。
↑これは破損したパイプ。硫黄が固まって、温泉の通り道がふさがれてしまったのですm(__)m
さて、ゲストにも正直に話す以外ありません。
皆さん、事情を理解してくださいました。
ありがたいことに、近くのお宿が温泉を解放してくださったり、別の日は湯けむり館へお連れして乗鞍温泉につかっていたただくという対応がとれたからこそ、というところも大きいかと思います。
そんな対応をしている中で、心温まる出来事がありました。
数日間、温泉は使えないものの、シャワーはかろうじて使えたRaicho。
シャワーを浴びた直後のゲストに、
「ここの温泉につかりたかったでしょうに、本当にごめんなさい。」と伝えたところ、
「No Probrem!It was nice shower!Thank you!」
と最高の笑顔で返事が来るではないですか!
私、びっくりして。
そのゲストは、何気なく普通に返した言葉だと思うのですが、なんというか、根本的な考え方がありがたく、またすごいなぁと思ったのです。
「あるもの」
を見ているなと思って。
しかも、そのゲストは雨でずぶ濡れになって帰ってきたサイクリストさん。
そらぁ、そらぁ、温泉につかりたかったと思うのです。
でも、そのゲストは「ないもの=温泉」ではなく、「あるもの=シャワー」にフォーカスして、しかも感謝の意を伝えてくださるという。
もうなんだか、ふわっとそれこそ温泉につかったときのような温かさが、心にこみあげてくる心地がしました。
乗鞍に移ってきて半年。私も大分ここの生活に慣れてきていますが、ふと考えてみると、乗鞍の生活では「ないもの」を数え上げたらきりがないかもしれないなぁと(笑)
要不要は別として、
「コンビニが、ない」
「交番が、ない」
「家の鍵をかけない」
「信号が、ない」
「スーパーが、ない」
「ドラッグストアが、ない」
「100円ショップが、ない」
「美容院が、ない」
「美術館が、ない」
「図書館が、ない」
「ケーキ屋さんが、ない」
「カフェが、ない」
「服屋さんが、ない」
「公園が、ない」
「病院が、ない」
「子どもが少ない」
「仕事が少ない」
などなどなど(笑)
でもね。そのゲストに改めて気づかせてもらったのは、「ある、もの」にフォーカスして、それを味わい尽くすこと。
それって自分を満たすだけでなく、周りも幸せな気持ちにさせてくれるなぁと思って。
「ない」は「ある」の裏返し。そして逆もまたしかりなのではないかと。
どちらに自分の心をフォーカスするかによって、物事の見え方って全然違ってくるような気がして。
例えば、乗鞍に「ない」ものについて見てみると、、、
「コンビニやスーパーが、ない」
→「手間をかけて食事をつくる機会が、多くある」「お惣菜や食材をお裾分けいただく機会が、たくさんある」
「食材を吟味する機会が、ある」 「ネットスーパーが、ある」
「交番が、ない」「信号が、ない」
→「良識をもった人がたくさん、いる」
「ドラッグストアが、ない 100円ショップが、ない」
→「あのギラギラちかちかした店内とは反対に、静寂さが、ある」「自分に必要なものを吟味する機会が、ある」「ネットスーパーが、ある」
「美容院が、ない」「図書館が、ない」
→「山を下りる楽しみが、ある」
「病院が、ない」
→「病は気から。だとしたら、気をチャージする自然がたくさんある。」
「子どもが、少ない」
→「少ない子どもを大事に育てる大人が、たくさんいる」
「仕事が少ない」
→「今ある仕事を大切にする」「自分で仕事を作り出すチャンスが、ある」
とかね。本当に考えようだと思うのです。
それに無理やりポジティブにもっていこうとしなくても、「ないこと」は、逆にもともとあるものを大切にしたり、そのありがたみに気づくチャンスなのかもしれないなぁ、なんて改めて思って。
さて。気になるRaichoの温泉は、、、
無事に復旧しております。(ホッ)
故障中、ゲストの皆さまには大変ご迷惑をおかけしましたm(__)m
また、ヘルプに駆けつけてくださった地元の皆さま、本当にありがとうございました。
で。
復旧したその日、数日間カラカラだった湯船になみなみとお湯が注がれている様を見たら、もうそれはそれは感動ものでした。
この世に当たり前のものなんて、何もないなぁとしみじみ。
様々なこと・もの・人・自然にありがたみを感じながら、ゆっくりと温泉につかりました。
そして分かったこと。
「Raichoの温泉は最高すぎるあるね。」
ということ。あ、手前味噌になってしまった。しかも、オチが雑!(笑)
でもほんと。
体験してみたら、きっと「ある」が見えてきます。
そして、Raichoではまた同じような失敗のないように、温泉パイプの掃除を頑張ります。Yumaが!